「この大学の履修登録サイト、毎年使いにくいんだよな…」
「サークルの新歓ポスター、どうすれば新入生の目に留まるデザインになるんだろう?」
「いつも使ってるあのアプリ、なんでこんなに直感的に操作できるんだろう?」
こんにちは!『大学生のためのIT活用ラボ』へようこそ。
大学生活の中で、こんな風に感じたことはありませんか?実はその「もっとこうだったら使いやすいのに」「このデザイン、心地いいな」という感覚こそが、今IT業界でめちゃくちゃ注目されている「UI/UXデザイン」の入り口なんです。
「UI/UXって、理系の専門用語でしょ?」
「プログラミングみたいに、難しそう…」
「文系の自分には関係ないかな…」
この記事は、まさにそんな風に感じている”あなた”のために書きました。
この記事を読み終える頃には、あなたは以下の状態になっています。
- フワッとしていたUI/UXの言葉の意味を、誰にでも説明できるようになる。
- 文系学生である”あなた”だからこそ、UI/UXで強みを発揮できる理由がわかる。
- 「まず、何から手をつければいいか」が明確になり、今日から独学の第一歩を踏み出せる。
ITスキルは、もはや情報系学部だけの専門分野ではありません。あなたの日常の気づきや「もっと良くしたい」という想いをカタチにするための最強の武器になります。さあ、一緒にUI/UXの世界を覗いてみましょう!
そもそもUI/UXって何?
「UI/UX」はセットで語られることが多いですが、実はそれぞれ違う役割を持っています。でも、大丈夫。全く難しくありません。皆さんが毎日使っている「カフェの公式アプリ」を例に、サクッと理解しちゃいましょう。
UIとは?「見た目」の分かりやすさ担当 (User Interface)
UI(ユーザーインターフェース)を一言でいうと、「ユーザーとサービスが接する面」のこと。アプリで言えば、画面のレイアウト、ボタンの形や色、文字のフォントなど、目に見える部分すべてがUIです。
- 良いUIの例(カフェアプリ)
- 新作フラペチーノの写真が大きく表示されていて、美味しそう!
- 「注文する」ボタンが一番目立つ色と場所にあって、迷わず押せる。
- 文字の大きさがちょうど良くて、読みやすい。
つまりUIは、「パッと見て、分かりやすいか?」「使いやすそうか?」という見た目のデザインを担当している、と考えると分かりやすいですね。
UXとは?「使った体験」の心地よさ担当 (User Experience)
UX(ユーザーエクスペリエンス)は、その名の通り「ユーザー体験」のこと。そのサービスやアプリを使って、ユーザーが「嬉しい!」「楽しい!」「また使いたい!」と感じるか、あるいは「分かりにくい…」「面倒くさい…」と感じるか、一連の体験すべてを指します。
- 良いUXの例(カフェアプリ)
- アプリを開いてから、たった3タップでいつものコーヒーを注文できた!(スムーズな体験)
- 事前に注文しておけば、お店で全く並ばずに商品を受け取れた!(感動体験)
- 新作が出ると、好みに合わせて「あなたへのおすすめ」を通知してくれた!(嬉しい体験)
UIが「部品」だとすれば、UXはそれらの部品を使って「最高のドライブ体験」を作り出すようなイメージです。どんなにカッコいいボタン(UI)があっても、注文完了まで何度もパスワード入力を求められたら、「もう使わない!」って思いますよね。それがUXの視点です。
UIとUXの関係性
- UI(見た目): ユーザーがサービスをスムーズに使えるようにするための「設計図」や「部品」。
- UX(体験): そのサービスを通じてユーザーが得る「感情」や「満足度」全体。
良いUXは、良いUIの上に成り立っている、と覚えておきましょう!
皆さんも、日常で『このサイト、広告多くて見づらいな』と感じる瞬間はありませんか?
最近僕が感じたのは、X(旧Twitter)のUIの変化です。タイムラインにアフィリエイトリンクや広告が増えたり、有料プランの勧誘がしつこかったり…。これは、企業の収益を優先するあまり、ユーザーの快適な『体験(UX)』が少し損なわれている例かもしれません。
『なぜこうなったんだろう?』『自分ならどう改善する?』と考えてみること。その探求心こそが、UI/UXを学ぶ上での最強のモチベーションになります。」
なぜ今、大学生がUI/UXを学ぶべきなの?【就活で武器になる3つの理由】
「UI/UXが大事なのは分かったけど、それが大学生の自分にどう関係あるの?」と思いますよね。断言します。特に非情報系の学生にとって、UI/UXの知識は就職活動で最強の武器になります。
理由1:すべての業界で「ユーザー目線」が必須だから
今や、どんな業界の企業もWebサイトやアプリ、SNSアカウントを持っています。メーカー、金融、教育、エンタメ…あらゆる業界で「どうすればお客様にサービスを快適に使ってもらえるか?」という視点がビジネスの成功を左右します。
UI/UXの知識は、まさにこの「ユーザー目線で物事を考え、改善する力」の証明になります。これはIT業界だけでなく、企画職、マーケティング職、営業職など、どんな職種でも求められる本質的なスキルなんです。
理由2:「人の心」を考える文系学生こそ、強みを活かせる
「どうすれば人は迷わないか?」
「どんな言葉なら、人の心に響くか?」
UI/UXデザインは、実は心理学や認知科学、言語学といった学問と深く結びついています。
プログラミングのように「0か1か」の世界だけではなく、「どうすれば人は心地よいと感じるか」という曖昧で正解のない問いに向き合うのがUI/UXの面白いところ。人の行動や心理に興味がある文系学生の皆さんなら、その強みを存分に活かせます。
理由3:ポートフォリオで「思考力」をアピールできるから
就職活動で「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」を話すとき、UI/UXの学習経験は格好のアピール材料になります。
「なぜこのデザインにしたのか」「ユーザーが抱えるどんな課題を、どう解決しようとしたのか」を自分の言葉で説明できれば、単なるスキルだけでなく、あなたの論理的思考力や課題解決能力を効果的に示すことができます。
未経験から始める!UI/UX独学ロードマップ【4ステップ】
「よし、ちょっと勉強してみようかな!」と思ってくれた方のために、今日から始められる独学ロードマップを用意しました。この通りに進めれば、着実にスキルが身につきます。
STEP 1: まずは「良いデザイン」にたくさん触れよう
いきなり本を読む前に、まずは世の中の「良いUI/UX」をたくさん浴びて、自分の中にストックすることが大切です。
- Pinterest や Behance: 世界中の優れたデザインが集まるサイトです。ただ眺めるだけでも「こんな表現があるのか!」と刺激になります。
- Mobbin: 様々な有名アプリの画面デザインを網羅しているサイト。UIデザインの”お手本”の宝庫です。
まずは1日10分、通学中にこれらのサイトを眺める習慣をつけてみましょう。
STEP 2: デザインの「基本原則」を学ぼう
なぜそのデザインが「良い」のかを理解するために、最低限の知識をインプットします。分厚い本を全部読む必要はありません。まずはWebサイトや動画から始めるのがおすすめです。
- おすすめ学習サイト:
- ドットインストール: 「Figma入門」など、動画で手を動かしながら学べます。
- chot.design: デザインの基礎知識が1記事単位で分かりやすくまとまっています。
- おすすめ書籍:
- 『ノンデザイナーズ・デザインブック』: デザインの4大原則(近接・整列・反復・コントラスト)を学べる、まさに最初の1冊に最適な名著です。
STEP 3: 無料のデザインツール「Figma」に触れてみよう
知識をインプットしたら、いよいよ手を動かします。現在、Webデザインやアプリデザインの現場で最も使われているのが「Figma(フィグマ)」というツールです。
ブラウザ上で無料で使えるので、まずはアカウントを登録して、好きなアプリの画面を真似して作ってみる(トレースする)ことから始めてみましょう。パワーポイントを使うような感覚で、直感的に操作できますよ。
STEP 4: 身の回りのサービスの「改善案」を考えてみよう
Figmaの操作に慣れてきたら、総仕上げです。
「あなたの大学の履修登録サイト」や「いつも使っているアルバイト先のシフト管理アプリ」など、身近で「ちょっと使いにくいな」と感じるサービスの改善案を考えて、Figmaで簡単なデザイン(プロトタイプ)を作ってみましょう。
これが、あなたの実績となる最初の「ポートフォリオ(作品集)」になります。
僕がUI/UXを学び始めた頃、いきなり一から構成を考えて、デザインをして…と初めから完璧なアプリを作ろうとして、結局何も完成させられずに挫折しかけた経験があります。
大事なのは、最初から完璧を目指さないこと。『大学の学食の券売機のボタン配置を、留学生にも分かりやすくするには?』みたいな、ごくごく身近な課題でOKです。
まずは”誰か一人”の課題を解決するつもりで、小さく始めてみてください。その小さな成功体験が、次のステップに進むための大きな自信になりますよ。
よくあるQ&Aコーナー
Q1. 文系でデザイン経験ゼロでも本当に大丈夫?
A. 全く問題ありません。むしろ、チャンスです!
前述の通り、UI/UXは技術力だけでなく「人の気持ちを考える力」が重要です。サークル活動での後輩への気配りや、アルバイト先でのお客様への心配りなど、あなたのこれまでの経験が必ず活きてきます。必要な知識は、今から学べば十分間に合います。
Q2. プログラミングの知識は必要?
A. 「必須ではない」が、分かるとキャリアの幅が広がるのは事実です。
UI/UXデザイナーの仕事は、あくまで「設計図」を作ること。それを実際に組み立てる(プログラミングする)のはエンジニアの役割です。なので、現時点でプログラミングができなくてもデザイナーにはなれます。
ただ、プログラミングの基本(HTML/CSSなど)が分かると、エンジニアとのコミュニケーションがスムーズになり、より実現可能なデザインを提案できるようになるため、市場価値はさらに高まります。まずはデザインの学習に集中し、興味が湧いたら少しずつ学んでみる、というスタンスでOKです!
Q3. 資格は取った方が有利?
A. 資格よりも「ポートフォリオ(作品)」の方が100倍重要です。
UI/UXデザインの世界では、「資格を持っているか」よりも「どんなものを、どういう意図で作れるのか」が問われます。
「人間中心設計専門家」のような関連資格もありますが、学生のうちは資格取得に時間を費やすよりも、STEP4で紹介したようなポートフォリオを1つでも多く作り、自分の思考プロセスを語れるようにしておく方が、就職活動では圧倒的に有利に働きます。
まとめ
今回は、大学生が今こそ学ぶべき「UI/UX」について、その基本から独学ロードマップまでを解説してきました。
【今日のまとめ】
- UIは「見た目」、UXは「体験」。良いサービスには、必ず優れたUI/UXデザインがある。
- 「ユーザー目線」で考える力は、業界や職種を問わず、あなたの強力な武器になる。
- 文系やIT未経験はハンデじゃない。人の心を考える力こそが、UI/UXの土台。
- 独学は「①触れる→②学ぶ→③作る→④改善案を考える」の4ステップでOK!
「自分にもできるかもしれない」と、少しでも感じてくれたなら、とても嬉しいです。
専門用語が多く、最初は難しく感じるかもしれません。でも、あなたのその「このサイト、なんか使いにくいな」という日常の小さな”違和感”や”気づき”こそが、優れたUI/UXデザイナーになるための原石です。
いきなりツールを触るのはハードルが高い、という人は、まずここから。
今日の夜、あなたが一番よく使うアプリを一つ選び、「好きなところ(良いUI/UX)」と「改善してほしいところ(悪いUI/UX)」を、それぞれ3つずつノートに書き出してみよう!
その気づきを言語化することから、あなたのデザイナーとしての道は始まります。
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